たまちゃん
〜地域の中で生きる〜

杉の子会だより 第2号

1994年(平成6年) 4月発行

 4月から、南小の1年生になります。幼稚園の1年間で、集団登校もみんなと同じペースで 歩けるようになり、私がついて行くと、「カーシャン、帰って!」。しかたなく隠れて ついていったりしました。
 自立心旺盛で何でも自分でやりたがり、カップラーメンを自分で作って食べたり、 コーヒーを入れてくれたり、友達が来るとホットケーキを焼いたりと、食べることに かけてはまめすぎて、少々太めになってきたのが気がかりです。また、世話やきで 特におじいちゃんには、ごはんやみそ汁をよそってやったり、酒のふたをしたりと、 サービス満点です。
 字にも興味が出てきたのか、「お勉強」といいながら、名前を書いたり、1から10までの 数字を書いたりしています。言葉もよく出てきて、みんなの真似をして家族を 笑わせたりしています。
 杉の子会が誕生して1年。最初から関わってきた者として感じることは、会員同士の 親睦がはかれて、なぜか会うとほっとするような、また会いたくなるようないい関係 ができたこと、いろんな行事にみんなが積極的に参加してくれたこと、一人の子の 問題も自分のこととして真剣に考えてくれたことが大変良かったです。反面、 行事日の設定・内容・人集めなどが難しく、いろいろと勉強させていただきました。
 昨年はわが子の就学問題でいろいろと悩みましたが、そんなときも杉の子会の仲間 が相談にのってくれて心強く思いました。何度となく養護学校をすすめられるなかで、 学校を見学させてもらいました。先生のお話をお聞きし、確かに個別の能力は 伸びるかもしれないし、本人ものびのびとできて親も気持ちの上で楽になるだろうと は思いつつ、どうしても地域のなかで育てていきたいという思いの方が強く、 南小学校を希望しました。そうしたところ、みんなと同じ日に就学通知が届き、 本当に嬉しかったです。
 幼稚園の発表会や劇、卒園式を見るにつけ、この1年たまきなりに成長したなあと つくづく感じます。一緒に学校へ行けることを喜んでくださったお母さん方もいて、 不安はあるものの、皆さんのおかげで同じスタートラインに立たせてやることができ、 感謝しています。
 あるお母さんの手記の中で、
「クラスの子供たちが養護学校の子供たちを見て、『あの子らばかや』と言った。 自分たちの目の前には同じ障害を持ったわが子がいる。その子とは仲良くしている。 もし、わが子が地域の学校へ行かなかったら、養護学校の子供たちと同じ立場に なっていたと思う。小さいときからまわりに障害児がいないと、障害児に出会ったときに 変なものを見るような目で見てしまう。それは当然かもしれませんが、障害児を 持つ親としてはとてもつらいことです。」
と書かれていました。私も同感です。だから、1年でも長くみんなと共に生活させて やりたいのです。そして、まわりの子供たちも小さいときから、相手の立場を 思いやることの大切さを学んでほしいなと思います。

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